今、注目の成分「5-アミノレブリン酸(5-ALA)」

今注目の成分5-ALA

納豆には多くの機能性成分が含まれています。その中から興味深い成分のお話をしてみたいと思います。今回は 5-アミノレブリン酸(5-ALA)についてです。2021年2月に、長崎大学の研究チームから新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の増殖を 100 % 阻害することが発表されたニュースは話題になりましたね。

監修いただいた専門家

小笠原 和也 そのもの株式会社学術顧問/九州大学大学院特任准教授

熊本大学大学院医学教育部卒。 ナットウキナーゼをはじめとする機能性⾷品原料の研究開発、 35年間に渡る納⾖菌を主とする微⽣物学・醗酵学・酵素学の研究開発の経験をもとに幅広く活躍中。

目次

「生命の根源物質」と言われる 5-アミノレブリン酸(5-ALA)

5-アミノレブリン酸、略して、5-ALA(ファイブ・アラ)。天然のアミノ酸の一つで、ヒトを始め動物や植物など、あらゆる生き物が体の中で作っている物質です。

アミノ酸の一つですが、タンパク質を構成せず、ヘム鉄やヘモグロビン(動物)、クロロフィル(植物)を作るための原料となります。「生命の根源物質」と言われるほど重要なものです。

ミラーの実験でも見つかっている物質です。ミラーの実験とは、生命の始まりを科学実験で証明しようとしたもので、原始の大気を再現(高温にして雷を発生させるなど)して、出来てくるアミノ酸などを確認した実験です。

ミラーの実験とは?
生命の化学進化を実験的に検証する目的で行われたアミノ酸合成実験。重水素の発見でノーベル化学賞を受賞したユーリイ(H. Urey)の学生だったミラー(S.L. Miller)は、1953年、地球原始大気を模擬した、メタン、アンモニア、水素、水蒸気の混合気体中で、放電を連続的に行った。原始海洋を模擬して、液体の水の入ったフラスコも加えて加熱した。数日の後に、装置内の水を分析したところ、酢酸、尿素のほかに、グリシン、アラニンなど数種類のアミノ酸分子が検出された。生体を構成する有機物が、無機物やメタンなどから直接に生成できるということは、生命の起源にとって重要な結果であり、大きな衝撃を与えた。ユーリイ-ミラーの実験(Urey-Miller experiment)と呼ぶこともある。
天文学辞典(日本天文学会)より引用

発酵食品に多く含まれる 5-アミノレブリン酸(5-ALA)

発酵食品にも多く含まれており、納豆 100 g 中に 25 μg 含まれています。大豆 100 g 中には 5 ~ 7 μg しか含まれていませんから、納豆菌の力で増えているようです。最も多く含まれている食品は、日本酒(70 ~ 353 μg/100g)やワイン(110~173 μg/100g)です。

ヒトの生体内では一日に 1 g 程度の 5-ALA が作られ、そして消費されていると推定されています。加齢と共に体内で作られる量が減って来ることが報告されており、5-ALA が減少すると、貧血や糖尿病などを発症するとされ、様々な病気が 5-ALA の減少で引き起こされる可能性が指摘されています。

食べ物から摂取した 5-ALA は速やかに吸収され働くと言われています。しかし、一日の食事で摂取出来る 5-ALA は 50 μg 程度と推定されています。一日に必要な量の2万分の1というわずかな量です。

発酵食品を中心としたバランスの取れた食生活、そして適度な睡眠と運動により、健康で活力のある身体作りを心掛けるのが一番のようですね。

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