〝腸活〟だけじゃない! 知っておきたい納豆菌の底力

腸活だけじゃない!知っておきたい納豆菌の底力

『納豆菌って具体的にどんな働きをするの?』『納豆菌についてもっと知りたい。』という方も多いのではないでしょうか? そこで今回は〝納豆菌について少し詳しくお話させていただきます。

目次

芽胞状の納豆菌は生きて腸まで届き、善玉菌を増やす

芽胞状の納豆菌は強い

納豆菌は、乾燥や熱、酸に対して耐性がとても強いという性質があります。納豆菌は過酷な環境に置かれると〝芽胞(がほう)〟という特殊なバリアをつくり生き長らえることができます。そのため、芽胞状の納豆菌は胃酸に負けることなく、生きたまま腸にたどり着きます。

腸内に届いた納豆菌は、悪玉菌の増加を抑えたり、自らが善玉菌として働いたり、酵素やビタミンを産生します。さらに、乳酸菌やビフィズス菌とも相性が良く、他の善玉菌の増殖を助けてくれます。納豆菌は、〝善玉菌の育菌係として働くことで、腸内細菌バランスを整えてくれるのです。

納豆菌は生きて腸まで届いて 善玉菌を増やす!

納豆を週3回以上食べる生徒の腸炎発症率は低い

納豆を食べることで、免疫力アップも期待できるという興味深い調査結果があります。

1996年、岐阜市医師会がО-157の集団感染があった小学校で生活行動を調査したところ、納豆を〝週3回以上食べる生徒の腸炎発症率は、〝全く食べない生徒の3分の1にとどまりました。

納豆菌は免疫細胞を強化し、腸を強く活性化する

最近の研究から、この免疫力アップには〝納豆菌が関係しているということが明らかにされつつあります。2016年には、納豆菌が腸の細胞を刺激して活性化させる様子がリアルタイムで観察されました。同条件下において、乳酸菌による活性化は見られなかったことから、納豆菌は腸を強く活性化すると考えられています。

腸の表面には、免疫細胞を育てる学校のような細胞があり、腸内に入ってきた細菌などを取り込んで、免疫細胞に渡して学ばせています。納豆菌は、この〝学校のような細胞〟に取り込まれ、免疫細胞を強化していることがわかってきました。その結果、抗体が作られ、腸内に入ってきた異物をやっつけて感染を予防していると考えられています。

納豆菌が免疫細胞を強化し、抗体が作られ感染を予防する
納豆菌のはたらき

納豆菌は腸に住み着かない〝通過菌〟だから、毎日摂り続けたい

腸内細菌は、体外からやってくる微生物を腸内に住み着かせないようにするという性質を持っていることが知られています。納豆菌もいわゆる〝通過菌ですが、腸内細菌のバランスを整えたり、腸の細胞に作用して免疫力をアップさせたり、身体を良い方向に調整しながら通り過ぎてくれます。

通過してしまうからこそ、毎日続けて、善玉菌優勢の腸内環境を維持するケアが大切なんですね。

納豆菌のまとめ
  • 悪玉菌の増加を抑える
  • 善玉菌として働く
  • 腸内の善玉菌を助け、育てる
  • 腸の細胞を活性化する
  • 免疫細胞を強化して感染予防

いかがでしたか?

最近、ある種の納豆菌が、インフルエンザやノロウィルスの感染予防に期待できることや、歯周病を引き起こす口腔内細菌を減少させることが報告されています。納豆菌の働きについては今も研究が進んでいます。

これからも、納豆菌から目が離せませんね。

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