免疫力が低下すると、風邪やインフルエンザを始めとするいろいろな病気にかかりやすくなったり、様々な不調が出てきます。実は、免疫力は腸内環境と関係があることが分かってきています。今回は免疫力が低下してしまう原因と、免疫力を高める方法についてまとめました。
こんな不調は免疫力低下のサインかも
- 疲れが取れない
- ムズムズする
- ぼーっとする
- めまい
- 体が冷える…
このような季節の変わり目の不調は、免疫力が低下しているサインかもしれません。本来、体に害があるものに対して反応するのが免疫システムですが、免疫力が低下することにより様々な不調が発生してしまいます。免疫力が低下することで、体の調節機能がバランスを崩すことが原因の一つと言われています。
免疫力が低下する原因① 寒暖差のストレス
私たちの体は、外の気温に関わらず、体温を一定に保ちます。そのためには、たくさんのエネルギーを必要とします。実は、それが体にとって大きなストレスとなっていますが、自分ではコントロールできないため、無意識のうちに体力が減って免疫力も低下します。
季節の変わり目に体調を崩しやすいのは、これが原因のひとつと言われています。
免疫力が低下する原因② 加齢
食事や生活習慣、ストレスなどのあらゆる原因で低下する免疫力ですが、加齢も大きく関係しています。
免疫力は、20代をピークに加齢と共に低下していきます。40代で50%、70代では、なんと10%前後になるといわれています。歳をとれば免疫力は低下するから諦めるしかないのでしょうか?実は20代で病気がちだったり、70代でも驚くほど若々しく元気な人がいるように、免疫力は年齢に関係なく高めることができると言われています。
免疫力を高める方法① 体温を上げて血行をよくする
体温が1度上がると、免疫力は5〜6倍もアップするといわれています。
体内の異物と戦ってくれる免疫細胞は、血液に乗って体内を巡っています。
体の冷えなどによって体温が下がると、血管が収縮して血行が悪くなります。すると、体内に異物が入っても、免疫細胞が集まりにくくなり、病気の原因となるウイルスや細菌を撃退することができなくなります。適度な運動や湯船に浸かるなど、普段から代謝を上げて、体が冷えないようにすることが大切です。
免疫力を高める方法② 腸内環境を整えて、免疫細胞を活発にする
腸には、なんと体の全免疫細胞のおよそ6割が集中しているといわれています。
腸は、食べたものと一緒に異物や病原菌が侵入して来る場所であり、滞留する場所でもあります。だからこそ、腸には、異物や病原菌を撃退する免疫細胞が集まっているのです。免疫細胞は、腸内環境が悪くなると正しく働かなくなります。そのため、免疫力を高めるために、日頃から腸内環境を良好な状態に整えておくことが大切です。
免疫力を高める方法③ 納豆菌で腸内細菌バランスを整える
納豆を週3回以上食べる生徒の腸炎発症率は、納豆を全く食べない生徒に比べて3分の1に下がるという調査結果があります。(1996年岐阜市医師会が行った、0-157集団感染があった小学校の生活行動調査より)
納豆菌は乾燥や熱に強く、胃酸にも負けることなく、生きたまま腸まで届きます。腸内に届いた納豆菌は、悪玉菌の増加を抑えたり、自ら善玉菌として働いたり、酵素やビタミンを産生してくれます。たとえ死んでしまっても善玉菌のエサとなって、もともと体内にいる善玉菌を増やしてくれるのです。
最近では、納豆菌がインフルエンザやノロウイルスの感染予防効果についても研究がすすめられています。
1996年岐阜市医師会/0-157集団感染があった小学校の生活行動調査
まとめ
- 体温を上げて、血行を良くする
- 腸内環境を整えて、免疫細胞を活発にする
- 納豆菌で、腸内細菌バランスを整える
季節の変わり目に体調を崩してしまわないよう、日頃から意識して免疫力を高めて健康的なカラダを目指しましょう!
- 腸管出血性大腸菌O157の感染、発症と生活習慣との関係/日本医事新報第3825号掲載 平成9年8月16日発行
- 老化と免疫/広川勝昱
- 朝の腸内リセットがカラダを変える/松生 恒夫
- 免疫力: 病気をはねのける体になる/野本亀久雄