男性でプロピオン酸菌が有意に増加
被験者の腸内細菌叢の遺伝子データを科学的に解析した結果、sonomono納豆菌による納豆粉末(以下、納豆カプセル)を摂取することで、男性でプロピオン酸菌が有意に増加したことが明らかになりました。
プロピオン酸菌(プロピオン酸産生菌)は、食物繊維や糖質などを代謝してプロピオン酸を産生する細菌です。腸内細菌がつくるプロピオン酸は、そのおよそ半分が大腸上皮細胞でエネルギー源として利用され、残りは肝臓におけるグルコース(ブドウ糖)の合成(糖新生)に利用されます。また、プロピオン酸には、粘膜中の抗体(IgA:免疫グロブリンA)を増加させ腸管免疫を強化する効果、回腸の蠕動運動を活発にする効果などがあります。このほかにも、酢酸や乳酸をつくるビフィズス菌を増やす効果があります。
(※有意とは、確率的に偶然とは考えにくく、意味があると考えられることを示します。)
【菌叢分析の結果】
- 男性の納豆カプセル摂取群における機能性のある菌の変動
男性の納豆カプセル摂取群において、摂取前と摂取後の機能性のある菌の占有率平均値を比較したところ、納豆カプセルの摂取によってプロピオン酸産生菌の占有率が有意に増加したことがわかった。その他の機能性のある菌では、大きな変動はなかった。 なお、納豆カプセル非摂取群では有意に増減した機能性のある菌はなかった。
機能性のある菌 | 摂取前 | 摂取後 | t検定(p値) | |
乳酸産生菌 | 32.4 | 33.0 | 0.627 | |
---|---|---|---|---|
酢酸産生菌 | 60.3 | 61.1 | 0.522 | |
プロピオン酸産生菌 | 5.5 | 7.0 | 0.004 | ** |
酪酸産生菌 | 14.2 | 13.3 | 0.251 | |
エクオール産生菌 | 0.2 | 0.2 | 0.196 |
短鎖脂肪酸に深く関わる
プロピオン酸菌
プロピオン酸菌自体は知名度は高くありませんが、今注目の短鎖脂肪酸であるプロピオン酸を産生する腸内細菌(善玉菌)で、腸管や皮膚などに存在します。プロピオン酸菌の機能性として、ビフィズス菌増殖効果や整腸作用、コレステロール低減、ビタミン生産など様々な働きがあります。
今注目の短鎖脂肪酸とは?
短鎖脂肪酸とは、腸内で、ビフィズス菌など機能性のある菌がオリゴ糖や食物繊維を発酵することによって作られる酸(有機酸)のこと。具体的には酢酸、プロピオン酸、酪酸などがあります。
健康な人の場合、腸内で乳酸が生成されると、速やかにこの短鎖脂肪酸へ代謝されます。腸を元気にする短鎖脂肪酸の働きは、最近特に注目を集めています。
❶ 食物繊維やオリゴ糖の多い食事
食物繊維やオリゴ糖は腸内細菌のエサになります。
❷ 腸内細菌がエサを食べて増殖
ビフィズス菌やプロピオン酸菌などの有益な腸内細菌がエサを食べて増殖します。
❸ 短鎖脂肪酸が産生される
腸内で、短鎖脂肪酸(プロピオン酸・酪酸・酢酸など)が産生されます。
短鎖脂肪酸が持つ健康効果
短鎖脂肪酸には、腸内を適度に酸性に保ち、悪玉菌を殺菌し、増殖を抑えてくれる作用があります。
腸は約7割の免疫機能を担っており、その表面積はテニスコート一面分にも相当すると言われています。短鎖脂肪酸は、その広い腸粘膜を元気にして腸のバリア機能を高める作用も併せ持っています。これにより、私たちのからだをウィルスや病原菌による炎症や感染の危険から守ってくれているのです。
短鎖脂肪酸のはたらき
短鎖脂肪酸を増やすには?
腸内の短鎖脂肪酸を増やすためには、食物繊維やオリゴ糖、それらを発酵させる力のあるビフィズス菌や乳酸菌、プロピオン酸菌などが必要です。
今回の実証試験では、sonomono納豆菌による納豆粉末を摂取することにより、腸内にいる複数の善玉菌(ビフィズス菌、乳酸菌、プロピオン酸菌)を増やすことが証明されました。ちなみに、sonomono納豆菌による納豆粉末は、納豆を丸ごとフリーズドライで粉末化しているので、善玉菌のエサとなるオリゴ糖や食物繊維なども同時に摂取することができます。
sonomono納豆菌による納豆粉末摂取で、ビフィズス菌が増加しました。(研究結果レポート①)
sonomono納豆菌による納豆粉末摂取で、乳酸菌が増加しました。(研究結果レポート②)
sonomono納豆菌による納豆粉末の摂取による腸内細菌叢の変動調査
●目的
sonomono納豆菌による納豆粉末(以下、納豆カプセル)の摂取による腸内細菌叢の変動を分析する
●方法
江北町町民モニター205名のうち、約半数の方に納豆カプセルを約60日間摂取していただきました。納豆カプセル摂取群と非摂取群の菌叢データの比較と、摂取群における摂取前と摂取後の菌叢データから、納豆カプセル摂取による腸内細菌叢の変動を分析しました。